数の強さ
BORA - hansgrohe, Pro Cycling UCI World Tour Team
世界的なパンデミックの中にあっても、
BORA-hansgroheサイクリングチームは、
生涯の情熱さえあれば一時的な後退は乗り越えられると確信しています。
それを実現するために、BORA-hansgroheは今、世界最高のサイクリングチームの一つとして、自分たちを勝利へ導くためのパワー、精度、
そしてチームワークを高めています。
Photography by Kody Kohlman, Instagram: @kokody
新型コロナ禍の影響で競技が延期されてしまうということがありましたが、サイクリングチームはスタートの遅れを見越してトレーニングを続けています。数ヶ月前、当社はコロンビアのメデリン市で、今秋に延期されてしまった春のクラシックシリーズに向けて調整していたBORA-hansgroheを撮影していました。外出自粛命令による難題はありますが、チームはスポーツへ専念することが一時的な後退をはるかに上回ることを明らかにしました。
2020年の2月頃、リードライダーのペテル・サガンは一つの目的だけを考えていました。それは、勝利に向けて努力しているチームを支えることでした。「競技の中で起こり得ることはすべて練習の結果なんだ。そして、ライダーは一人ひとり異なる。一人はスプリントに集中する必要があり、もう一人はクライムに多くの時間を費やす必要があるかもしれない。合宿が私たちの体に試練を与える一方で、私たちが合宿に行く主な理由は、団結力を強化するためだ。一緒にトレーニングの時間を過ごすことで、チームでいる意味がだんだんわかるようになる。チームのみんなが言うように、オレたちはまさに“バンド・オブ・ブラザース”なんだよ」。
「一緒にトレーニングの時間を過ごすことで、チームでいる意味がだんだんわかるようになる。チームのみんなが言うように、オレたちはまさに“バンド・オブ・ブラザース”なんだよ」
– ペテル・サガン ワールドチャンピオンを３度獲得
コロンビアはヨーロッパで典型的なトレーニングをする優秀なサイクリストたちにとって、ユニークですが最適なチョイスでした。標高1,500メートル（4,900フィート）の場所にあるこの街には、カラフルな通りがあり、広大な山岳風景に囲まれています。厳しいライドに適した絵に描いたようなセッティングで、来るべき春のクラシックレースで直面するものと似ています。すなわち、勝利に必要な俊敏性とスピードを鍛錬できる環境なのです。
数週間の集中的な期間中、チームは毎日トレーニングに時間を費やします。毎朝、彼らのコーチが毎日のルートを設定する間、整備士はチームの機器をチェックして調整します。午前１０時までに、メンバーはユニフォームに着替えて、出発の準備をします。彼らは最小限の休憩で4〜7時間ライディングをつづけ、高地と荒れ地を駆け抜け、持久力と強度を上げ、チームとしての勝利を目指して個人的な限界に挑戦する準備を整えるのです。
サイクリングでは、チームの各ライダーが、勝利の頂点に立つためにパフォーマンスのピーク時に個々の役割を実行する必要があります。BORA-hansgroheのオールラウンダーであり、ペテル・サガンの腹心であり補佐役でもあるダニエル・オスは、その“バンド・オブ・ブラザース”という考え方が、勝利をより美しいものにすると語っています。
「最後の500mではすべてのものが無になるんだ。苦しさ、群衆、すべての感情が消え去る。そして一人のサイクリスト、つまりチームのうちのたった一人がそのフィニッシュラインを越える。それは世界で最も気持ちいいことなんだよ。なぜならそれは、チーム全体が一つになって連携するパワーと精度の結果だということを俺たち全員が知っているからさ」。
「最後の500mではすべてのものが無になるんだ。苦しさ、群衆、すべての感情が消え去る。そして一人のサイクリスト、つまりチームのうちのたった一人がそのフィニッシュラインを越える」
– ダニエル・オス
撮影の三ヶ月間後、スウプリング・クラシックの延期が決定されました。シーズンの残りの部分は2020年の後半に先延ばしされています。何千時間もの時間が延期されたシーズンと数ヶ月の不確実性のためのトレーニングに費やされました。ですが、チームが力を発揮するべく鼓舞したのは、その「数の強さ」の考え方です。外出自粛命令によって、サイクリストたちが外でトレーニングすることが禁止になった時、マネージャーのラルフ・デンクは、チームが合宿で確立するのが非常に困難だった耐久性を維持するための新しい方法を考案したと言っています。「彼らはトレーナーに大きく依存しており、クロストレーニングの取り組みを強化している。このシーズンは遅れるかもしれないが、彼らは最高のパフォーマンスを維持する決意を持っている。決して終っちゃいないさ」。
その通り。このシーズンは決して終わっていません。数ヶ月間後、チームのカレンダーは正式に7月の終わりに始まるレースに向け再設定されました。準備を整えるために、そのバンド・オブ・ブラザースはもう少し故郷に近い合宿に戻りつつあります。6月の中旬にオーストリアのエッツタールに向けて出発し、そこで何時間ものスプリント、クライム、そしてもちろんたくさんの絆を強める経験をするのです。
